冨樫義博先生の作品はやっぱり面白い
冨樫義博先生の作品に登場するキャラクターって、白か黒かがハッキリしていて、でも人間は白か黒かで器用に生きていけるほどの生き物ではなくて黒に白が混ざったり、白に黒が混ざったりしてグレーになることもあるから、そのグレーゾーン(揺らぎや矛盾、葛藤みたいなもの)で人間の複雑性を表しているから必然的に作品も魅力的になっていくんだろうなあと思いました。
冨樫先生の作品ってファンタジーとリアルの融合が凄く上手くて、
ファンタジー心を完全には失いたくない気持ちと、でもリアリティなさすぎる作品はそれはそれでどうなのか?とモヤモヤしてた私に見事にぶっ刺さりましたね。
仙水忍、刃霧要のエピローグとか流星街の設定と政府との関係とか妙にゾワっとするリアルさがあってそこが凄く良くて。
個人的には20巻のジャイロの過去はもうあまりにもリアルすぎて苦しかったけれども、何度も見返しては苦しいという気持ちと人間こんなもんだよなって気持ちとがせめぎ合います。
私は自分の仏壇にHUNTER×HUNTER並びに冨樫義博先生の作品を置いて欲しい(置いてくれる相手がいるかはわからないけども)くらい狂わされてしまっているんですが、↑で書いたことがより色濃く出てるのがHUNTER×HUNTERのキメラアント編なのかなと思っています。キメラアント編はもう掘っても掘りきれないほど多角的な視点から見ることができる傑作だと思いますね…
あとは狂っているキャラクターが静かにナチュラルに狂っている(俺はイカれてるんだぞヒャッハー!みたいなわかりやすく狂ってる感を出されると萎えてしまう派なので)のも良いですね。
幽☆遊☆白書の鴉とかHUNTER×HUNTERのヒソカとかそんな感じのキャラかなと思っています。冨樫先生は積み上げてきたものや愛する美しいものを壊すことに快感を覚える癖があるのでしょうか…?笑
まあでも確かに積み上げて育て上げてきたものや美しく清いものが破壊される時、それが絶望になるのか快感になるのかってのは両極端ですよね。
敢えてぶっ壊して新しく構築していくのが楽しかったりということもありますし。
全体通して割と陰鬱な空気が漂いがちなのも好きで、ダークファンタジーといったらHUNTER×HUNTERですかね(幽☆遊☆白書も四聖獣登場あたりからはダークファンタジーではある気もします)
自分にとってとても心地の良いダークファンタジーです。隠の者なので…
最近は作品とキャラクターの解像度を上げて上手くイラストに落とし込みたいなと思っているし、ifの世界とかも描いてみたいのですが想像力がなさすぎるので、とりあえずキャラクターの内面を深掘りしていきたいですね。
いやー本当に魅力的なキャラが多すぎる。
最近キテるのが幽☆遊☆白書の蔵馬で、あんな美しい見た目で死より永遠に生き地獄にいる方が苦痛であることをわかっていてそれを敵にやる冷酷さがたまらないですね。底知れない頭の良さと冷酷さとその選択をすることに迷いはない残忍さ、素晴らしい……❤︎
これはヒソカになっちゃいますよね。
10/28からの冨樫義博展が楽しみで仕方ないです。