少々遅ればせながら2/11のライブのお話
(写真見辛すぎる)
2/11にAKIHIDEさんのライブへ行ってきました。
ライブレポってほどしっかりしたものでもないですが、このライブを通して思ったことをひたすら書き殴ります。
今回のアルバムに収録され、もちろん今ツアーでもやった「ありふれた物語」を聴いて、
なんか、アーティスト(AKIHIDEさんはギタリストですがまあこの括りで良いでしょう)がありふれた物語を歌うのって、不思議な気分だなと思いまして。
アーティストって、夢を見せる・いい景色を見せる(大きい会場でライブをやるという意味に私は捉えています)とか、スケール大きいことを言う人が多いように感じていて。もちろん全員がとは言いませんが。
ステージに立てる選ばれし者達とお客さん という、まあ勿論私もお客さん側な訳で、
当然選ばれし者達はこちらでは計り知れない程の努力をしていますし、それ相応の対価は様々な形で支払わられて然るべきですが、一度その距離感、絶対に超えることが出来ない隔たりを感じ、ライブに行くのが楽しいけどなんか、なんか違うような気がする…と思ったことがありました。
まあ今はライブに行く回数もだいぶ減り、自分自身もなにかを好きになる、その好きになり方も変わってきましたし、何かとの自分なりの上手い付き合い方というのを学んできた…と思うので、当時よりは熱はだいぶ落ち着いてきており、
むしろここ数年は毎年その一年が一番楽しくて、精神的にも安定してきて、いかに日常が有難いものかを実感していました。
いい意味でライブがたまにのご褒美!くらいの位置付けになっています。
そんな中で、アーティストがありふれた物語を歌うことが新鮮に感じたのと、ありふれた(ように見える)日常を生きてることに寄り添ってくれるアーティストって、凄いなあと思いまして。
いくらありふれたものであっても日常を生きてるって、素敵じゃないですか。
かつては明日を生きる気力さえも持てないほどでしたし生きてる実感も全くないような、今思えば非日常的な毎日を送っていた身としては、
今ありふれた物語、物語っていうと壮大に聞こえてしまうかもしれませんけど要するに一人一人それぞれの人生を生きている、それ、凄いよね。って思うわけです。
この世の中、生きるのって簡単じゃない。
アーティストは基本的には非日常空間を提供するし、勿論お客さんをそれに期待して来ている方が多いかと、むしろほとんどかと思います。
ですがその中で敢えて夢を見ようだとか夢に向かって頑張れだとか言われないライブが、基本的に人のために生きられない私にとっては凄く居心地の良い空間でした。
アーティストとお客さんが対等な目線だったというか…勿論、AKIHIDEさんはステージに立ってギターを弾いて歌っているわけなので実際の物理的な距離感はあります。
が、アーティストにとってただ自己顕示欲を満たすためだけじゃないライブ、そして"頑張ろうと思わなくちゃいけなくなる"ライブではなかったように私は感じました。
(あ、ひたすらに自己顕示欲のための・人を頑張らせるようなライブを否定している訳ではなく、勿論こういうスタンスが好きなお客さんもいらっしゃると思うので、まあ各々好みのものを選べばいいと思います、はい!)
勿論音は様々な工夫がされていて色々な音を使っていたのですが、基本的にはアコギ・ウッドベース・カホン・ウィンドチャイム等、そんなド派手なサウンドでは無かったのも、日常感を意識していたのかなと勝手に笑
私は世間でいういい人・誰にでも好かれる人・優しい人ではありません。自分の感情最優先です。まあそれもそもそも自分の機嫌を自分で取れないと、自分が満たされていないと人に不快な思いをさせるということを過去に学んだからなのですが。
あと基本的に人のために何かをするというのが大の苦手です。というか多分根本的に空回ります。人の気持ちが全くわからないから。
こんなのは真っ先に不必要非効率生きてる価値無し速殺される側の人間なわけです。何もない。本当に。ただの死に損なった人間。
でも、自殺しないと決めた以上は生きなければならないし頑張ろうと思わなければ価値のない人間だと自分を呪わないと生きていけないような人間です。
でも、そんな中でもなんとかかつての私にとっては非日常であった日常を今生きていて、AKIHIDEさんの作品がそこに寄り添ってくれているというか…肯定してくれているような気がしたというか。
夢を見よう!とか、何か目標に向かって成し遂げろ!とか、そういう押し付けがましく感じるメッセージがAKIHIDEさんからは感じないことが、不思議でもあり私にとってはとても救いになるものでもあり。
私のこの生き方や私の在り方を肯定してくれとは言えません。そこまで出来た人間でないことは自分で嫌という程味わっています。
ただ、そこに寄り添ってくれるものがあるのとないのでは安定感は変わってくるかと。
今回のライブで一番印象的だったのはやはり最後ですかね、新曲の発表はとても嬉しいですよ。
やったー!となると思いきや、いや、嬉しいとは思ったんですけども、曲前のMC→曲始めでもう涙ボロボロ流れて。
これは安心感なのか、救われた感じがしたからなのか、居場所をくれた気がしたからなのか。
もう自分でもよくわかってなかったですが。
いつでも戻ってきていいよ、って言ってくれるものを好きでいられていることがなんと心強いことか。
勿論厳密には、AKIHIDEさん自身がというわけではなく、作品が、音楽が、ライブがなんですが、作品だからこそ絶対的な安心感があるし私はAKIHIDEさんに関しては、そこに込められた想いに嘘はないと思っています、勝手に。
いいんだよ作品をどう享受しようが消費者の自由なんだから(n回目の開き直り)
あとは、もう本当に、皆さんに会うために(ライブをしたり、作品を出したりという意味で)また帰ってきます、と言ってくださる言葉の力強さよ……
先日とあることがありまして、ああ、本当に作品を作ってくださる方々がステージにいるのは、それを作り続けて伝えたいことを伝えてくださるのは奇跡なんだなあと大袈裟ではなく思いまして。
辞めようと思えばいつでも辞められるし、勿論終わらせる覚悟もありますが、続けていくという覚悟もあります。どちらも比較できない大変さや苦しさがあると思いますが、
AKIHIDEさんの言葉って、本当にすんなり自分の中に入ってくるんです。年齢重ねるたびに疑うことが癖になってくるのに(勿論悪いことばかりではないと思っていますし、普段は基本的には疑ってかかった方が良いと思っている派です)、AKIHIDEさんに対しては年齢重ねても疑いが出てこないですし、素直に泣けます。ただ、盲信しているとは違いますけどね。
それは音楽だけでなく、言葉から絵まで様々な手段で一生懸命伝えたいと思うことを形にしてくださっているからなのかなと、今だから思うんですけど。
AKIHIDEさんの作品に触れるといろんなことに気付くことが出来て、でもその作品を享受し続けていくためには、好きという気持ちは勿論ですがそれだけでなく色々なことが必要だと。
私はまさに様々な意味でまずベースとして日常を生きること。
そこにフォーカスしてくれるアーティストって結構珍しいのかなと感じています。
改めて日常を送ることの尊さ、そしてそれを守るために私が少しでも出来ることを考えさせてくださること、そしてAKIHIDEさんが創作活動を続けてくださっていることに感謝を。
素敵なライブでした!