多分あの人は人間が大好き
ここ最近、中学〜大学生の頃よく聴いていた音楽を久しぶりに聴いたりなどしております。
当時からとにかくロックが好きでそれは今も健在だと思うとともに(理性が働く前に血が騒ぎます)、なんか中学生とかの多感な時期に好きになった音楽はずっと好き言説が巷で話題ですがあながち間違ってはないと思いますね。自分の場合はですが。
当時好きだった音楽は大体今でも好きです。
ただ、音楽に対する感じ方は変化してますね。
当時はロック聴いてると色々自分の中では理不尽に思っていたこと、モヤモヤしていたことが発散されるような気もしていたし、唯一自分の味方になってくれている気もして、聴いていると落ち着くというか自分にしっくりくるというか。
どちらかと言えば歌詞の意味とかよりも世の中や学校、親への抵抗という意味で、ロックサウンドを感じる感覚で聴いていたような気がします。
ところがどっこい最近はロックサウンドで自分の血が騒ぐことはもうわかっているので、改めて歌詞を噛み砕いてみると、yasuさん(自分がロックに目覚めた原点のJanne Da Arc、Acid Black Cherry)って人間に対する愛があるなーと思うようになりました。
まあ歌詞は一見大っっ体下ネタですね!笑
これは流石にただ下ネタ言いたいだけなのでは??と感じる歌詞もありますが笑、人間の本質的なところを性愛から醜い部分も含めて様々な角度から描いている印象ですね。
彼にとって性愛は生に欠かせないものというか、そこに何かを見出しているような気がします。
おそらく、歌詞に共感するから好き!という方も多くいらっしゃるとも思っています。
それは多分、なかなか人には言いづらい気持ち、無かったことにされがちな気持ち、蔑ろにされがちな気持ちまで彼の歌詞は拾っているから。
歌詞として客観的に見ると、この歌詞の人馬鹿だなあと思っても実際そこには当事者(リスナー)がいるから共感も集まっていて、馬鹿だなあと思っていても愛ゆえの馬鹿だなあ、に感じるんですよね。見下してる馬鹿だなあ、じゃなくて。
おそらくyasuさんも愛ゆえの馬鹿だなあ(でも確かに人間は本質的に何かしらの形での「愛」みたいなものを渇望しているよね)サイドなのでは、と思っています。
その一方で、人間の醜い側面もしっかり拾っているんですよね。
具体的に曲を挙げるなら自分的にはAcid Black Cherryのジグソー(シングル)ですかね。これを曲としてリリースした彼のアーティストとしての在り方が好きですね。
他にも人は人を裁けるのか?というテーマを歌っていたりしていて、今思えば当時から無意識に彼のものの見方に影響を受けていたのかもしれません。
人間の醜い部分を歌うなら人間のこと嫌いなんじゃない?という意見もあるのは承知の上で、私は逆に人間に愛がないと醜い側面はそもそも視界に入らないというか、気にも留めないんじゃないかな?と思っていて。
人間は皆美しいとか、いわゆる明るいと言われる側面しか歌わない人の方が逆に怖く感じてしまいますが…
勿論ポジティブに越したことはないですがね笑
そもそも批判(誹謗中傷とは違います)だって、根本的に向き合っていないと出てこないですしとりあえずなんでも良かった素敵だったっていうのは簡単です。楽ですし(肯定がダメとか言っているのではなく、表面的なところだけしか見ないでよくわからないけどとりあえず良いって言っておけばいいかみたいな、そういうスタンスのことです
私も良いと思ったことには素直に良いと言いますし)
勿論人間の好きな部分も積極的に見ていきたいですが、実際同時に醜い側面があるという現実にも向き合わないと生きていけないと思うし、でもだからこそ人間に希望もミリでも持てるのであって。
好きでも嫌いでもある(でも根本には愛がある)って感じですかね。勿論究極そこはyasuさんのみぞ知る、ですがね。
人間の醜い側面にも向き合って楽曲という作品を出せるのは彼が人間をとことん愛していたからだと思います。同時に嫌というほど人間の醜い部分に向き合ってきて嫌いでもあったとも思いますが、それでも作品を長年作り続けてくれていたのは人間への愛ゆえだったし、繊細に愛していたから創作活動もしんどかったのかなと。
一見下ネタの歌詞でも笑、おそらく彼はそこに本質的に人間が希求する愛とは何かを見出したのではないかなと思いますし、その視点は自分に欠けていたところだったので(クズと切り捨てがちだった)何か気付かされたような感じです。
私はここまで人間を愛した彼の作品を嫌いになることは出来ないですし、今後も聴き続けていたらまた年を重ねた時に違う感じ方が出来そうで楽しみですね。
念のため、ちゃんと明るい曲もありますのでご安心ください笑
yasuさんは2017年からアーティスト活動を休止していて現在も休止中で、人間の本質的な側面に触れている珍しいアーティストなので活動を再開して欲しいと思う反面、既に充分な功績を残されているので仮にもう活動出来ませんとなってしまったとしても、自分は何も言えないかなという気持ちもあります。
とにかくyasuさんが人間を愛した証は作品としてしっかり残っていて、だから今でも沢山の人に愛されているんだと思います。
年重ねると本当に物事の感じ方って変化していきますね。
自分もただの下ネタですやん…となっていた頃もありました笑
昔好きだったものに改めて触れてみるのも一興ですね!