シン・エヴァンゲリオン劇場版 感想①
観てきました。
四半世紀続いていたシリーズ作品にもかかわらず、どうも今作で終劇するらしいということと友達が勧めてくれたことをきっかけに今年ハマりましたド新規です。
念のため過去作(漫画・TV版+旧劇場版・過去3作)は視聴済です。おそらくまだ観ることが出来ていないものもあるかと思いますが…
とりあえずド新規です。
2回目は特典にまんまと釣られて観に行きました。カット追加も楽しみでしたが。
これはとりあえず感想を残しておかなければ、という感じで私もこの感想を以って当シリーズ作品を卒業したいと思います。(もう一切観ないとかではなく、縛られすぎないという意味で)
あ、でも渚カヲルくんはずっと好きでいたいです。
※ここから先、作品のネタバレを含みますので閲覧ご注意下さい。
※設定的なところの解説・考察等はなく、ただの感想です。キャラ解説的なものもありません。
※カップリング的な要素の考察は一切ございません。隙自語もよく入ると思います。すみません。
当シリーズを通して思ったことはそれなりにあるのですが、特に個人的に印象的だった箇所のみピックアップしていきたいと思います。
一番話したいのは、やはりミサトさんとシンジのお互いの変化(成長)ですね。私はこの二人の関係性が着地点として一番良いなと思いましたね。(ラスト付近のミサトさんが特攻する描写の是非はさておき)
一応過去作は観た身として、TV版(要はアニメ)+旧劇場版は、お互いどう接していけばいいのか?どういう関係を望んでいるのか?という点においてかなり手探りの状態だったと思うんです。
ミサトさん(20代後半)がシンジ(14歳)に大人のキスよ、とか言ってキスしてたのは衝撃でしたが…倫理的な是非というよりも、ミサトさんはシンジにこういう接し方しか出来なかったんだろうな、と言った感じでした(TV版25・26話より)
ミサトさん的にはシンジへの想い(もしかしたら加持さんへの想いを引きずってどうしようもない悲しみも含んだヤケクソかもしれませんが…)を性的だと思われる接触のキスという形でしか表現する術を知らなかったんだと思いますね。
でも何であろうとそれは個人的にはダメでしょうよ…と思っていたので、かなり印象には残っていました。
一応前提として、ミサトさん自身もシンジ自身も家族仲良い環境で育っていないです(と自分は捉えていますが)
又、ミサトさんとシンジの血縁関係もありません。ミサトさんはシンジの保護者的ポジション。実はこの点が個人的に印象深いポイント。
それはさておき
今作は勿論ゲンドウとシンジの対話のシーンが見所であるところは間違いないかとは思いますが、
私はTV版+旧劇場版、そして新劇場版(序破Q)全てを含めての今作でミサトさんとシンジの関係性の着地点がとても印象深く思った理由は、
責任をお互いに背負いあえる関係性になったと感じたからですね。ミサトさんからの槍が届いた後のシンジの反応もまたシンジの成長を感じてグッときたのですが。
ミサトさんはシンジの母親のように振る舞おうとしたけれども、上手くいかないし、シンジはシンジで心を閉ざしたままだし、TV版・旧劇場版ではとにかくお互い手探りで、
ただ、この二人が本音でぶつかり合うシーンはそれなりにあった印象ですし(シンジは本音でぶつかり合うというより、徐々にミサトさんに対して膝を抱えながら本心を吐露していた感じですが)
ミサトさんはシンジを思い遣っていたのは伝わってきたんですよね。その思いによる接し方はさておき。
だからこそ今作で責任(お互いの思い)を背負い合う着地をしたのは、
まあ厳密に言えば最終的にはシンジの責任は全て私が背負うとミサトさんは言っていましたが、
シンジはその覚悟を受け取ったしその前にミサトさんの責任も半分背負うよと言っていたので、お互いに責任を分け合い背負い合う覚悟が出来たと解釈しました。
シンジが最後エヴァ初号機に乗るか否かのシーンでの信頼関係を築けた証にミサトさんがシンジを抱き締めるという行為からは性的なものは一切感じなかったのも旧劇場版との変化ですね。
握手ではなかった理由は、やはり作品分の思いがお互いに込み上げていたからなのかなと個人的には解釈しています。
ちなみにシンジの成長を感じた理由としては、様々なもの(主に人との関係)を背負い覚悟を決め自分の意思で(まあ14歳にこんな人類が滅ぶか否かの重すぎる責任を負わせるのかというのは、勿論良くないです)エヴァに乗ります、と言ったことと、
シンジはミサトさんに、ミサトさんと加持さんの子供(ここの前にシンジはミサトさんと加持さんの子供に会っています、
尚ミサトさんは親としての役目を果たせる自信がないから子供には会わないとのこと やってることほぼゲンドウと一緒やんけ…ここは全肯定しません)
まあそれはさておき、ミサトさんと加持さんとの子供を凄くいい奴だった、僕は好きだよ、と言えたことですね。
今までシンジは他者評価に比重全振りしていて他者評価によって自身の言動がブレブレだった、故に自己決定が出来ていなかったと思うんですが、
ここでミサト加持の子供がシンジのことをどう思っているかは分からないけど、「僕は好きだよ」と「自分の思ったこと」を素直に言えているというところが良いんですよね。
シンジ自己決定出来る様になって、人から言われたことにただ従うんじゃなくてちゃんと自分はどう思うか言えたんだな、しかも自分から人を好きだと言えるようになったんだなあ…と思って、良かったねえ…と言った感じでした。
勿論仕事ではある程度他者評価に依存し自分の振る舞いを考えなければならなかったりしますが、そう言った中でも自分の意思で積み上げてきた自分の軸というものを見失わなずにいることは(頑固、自己中心とはまた違いますけど)サバイブしていく上でとても大事なんですよね。
他者評価に自分の存在を依存させてしまうと、そこが壊れたら自分も壊れますから。
脱線しつつあるのでまとめます。
個人的に、ミサトさんとシンジという血縁関係のないもの同士がエヴァを通して親子でもない、恋人でもない。関係性に名前はなくても(一応ミサトさんはシンジは私の管理下にあるとは言っていますが、全てをコントロールするという意味ではなく、シンジの分の責任は私が背負うという覚悟の現れ故の表現かと)
間違いなく信頼関係が築かれており、
私的にはお互いを信頼し合い、責任を分け合える、背負い合えるという関係が自分の理想と感じる人間関係の築き方なのでグッときました。
親子や恋人という関係性に依存したくない身としては、この親子でも恋人でもなくとも信頼関係は築いていけるというメッセージは響きましたね。
細かい描写の是非は勿論私もありますし作品の設定や描写等に対し全肯定的ではありませんが、ここは親子・恋人といったような固定概念からの解放的な描写のように思い、私も補完された気分になりました。
余談ですが、こんな感想をもった身としては例の公式の薄い本の表紙がシンジとミサトさんの2ショットっていうのが個人的には凄く嬉しかったです。
今回は以上です!
当シリーズからの卒業なので次の感想も熱冷めやらぬうちに書きます。