今月の新列伝 破壊兵器と子守唄 感想
今月の新列伝について。
個人的に、久々にかなりヒットした列伝でした。
これより下、ネタバレ含みますのでまだ列伝をご覧になっていない方は閲覧ご注意下さい。
ざっくりと、この列伝が良いと思った点を。
まず、こういう救いがないようなあるような、切ない終わり方が良いなと笑
個人的には、こういう終わり方がクリプトラクトの魅力だと思っていて。
切ないし悲しいんだけれども、全く救いがない訳ではない感じが絶妙だなと思いました。
あと、今回は結構感情移入が忙しかったですね。
天使であるゼルエルの気持ちもわかるところがありましたし、序盤のフェリータはもう昔の私やんけこれと思って笑
この自己肯定感の低さと、人間不信感、ああこういう人いるいる、、、いや過去の私じゃんこれ!!(私は顔に火傷はないけれども、顔に悩んでいたので)みたいな笑
フェリータの、自分には愛される資格がないとか、私は愛されていいはずがないとか、もう過去の自分に重なりすぎて笑
本当に、愛されることを知らなかったり、自分にとっての居場所(体感として居場所と感じられるもの)がないと捻くれますのよね〜笑
まあそれが全てとは言いませんが、フェリータの自己肯定感の無さは凄くわかりますね。
私もそうでしたし。たまたま今回は私も容姿に悩んでいたので、そこもフェリータと重なったのもありますけど。
見てて辛かったような、だんだんと愛を知っていくフェリータが、昔とは変わった今の自分(正確には、フェリータほど家族に居場所は感じられてはないけれども笑)に重なって行って、
私は結構フェリータの変化も楽しんで見れましたね。頑張ったな、フェリータ、、みたいな笑
最後にはとてもたくましくなっていましたね。
ゼルエルの気持ちがわかったというのは、私は天使ではないですけど笑笑
愛という感情について、私もわからないところがまだあるんですよね。
あ、わかる、、、と思った瞬間。
正直なところ、愛って考えるものではないのかもしれないです。直感的、体感として感じるものなのかもしれません。
けど、愛を知らない人間にとっては考えるしかないんですよね。
愛といっても、言葉にすると薄っぺらいかもしれませんが、異性・同性の恋愛的な愛、家族愛、友愛等、色々な形があると思うんですよね。しかも人それぞれ、その定義は違うというか、何をもって愛と呼ぶのかも異なると思います。
私は、友達としての愛は知っているかもしれませんし、友達でもなくて恋愛関係でもない人からの愛も知っているかもしれません。
ですが、家族愛は知りません。私自身が母親ではないのも、まだ血縁関係者以外と家族を作っていないのもあるかもしれませんけど、私の場合は安心できる居場所=家族ではなかったので。
あとは恋愛関係に関してもそうですね。
今まで彼氏というものとは無縁で生きてきたので、異性に恋愛関係にある人として愛されるっていう感覚もわかりません。
だから、考えるんですよね。私は主に家族としての愛や、恋愛関係としての愛ってなんなのかとか。
まあ、考えたところで実際どうなのかっていうのはまた別の話になるんですけど笑
結構脱線しましたね笑
あとは、ハミエル(天使)が、人間の愛を知るためにかりそめの人間の姿を手に入れて人間社会に足を踏み入れたのですが、
ハミエルは、最初は打算的な行動を取ってたとはいえ、それがフェリータを救うもの(つまり愛?)になっていたのが良かったですね。
まあハミエルも徐々に心の底からの愛情に変わっていくのですが、
そうさせたのはきっと人間のフェリータやニーアナンナ達なのでしょう。
そこから人間と天使の相互作用というか、愛は一方的なものじゃないっていうのを感じられました。
なんとなく、いくら愛ゆえに行動を取ったとしても、一方的なものになってしまった瞬間に愛ではなくなってしまうものもあるとも思いますし、
逆にその最初は一方的だった愛が人を動かすこともあったりするかなと。
あとは、今回も敵側?がめっちゃいい味出してましたね!笑
敵というか天使サイドかな、、、人間にとっては敵に見えるっていうだけですが。
ただ、この敵側もかなり重要な役割を担ってたと思いますよ。
クリプトラクトの列伝のいいところって、今回ならば愛がテーマですが、ちゃんと二面性も描かれているところだと思います。
愛は美しいものだ!で終わるのは正直つまらないです←
愛の強大さも利用の仕方次第では恐ろしいものになる、というところまで描かれているのは、さすがクリプトラクト!と思いました。
私もそう思うんですよね。
とても愛してたが故に、そこから生まれる憎しみや嫉妬なども計り知れないものになったりするのでしょう。
恋愛関係なら浮気と呼ばれるものがタブーとされたり、恋愛関係にとどまらず愛していたはずのものからの裏切り等って強大な影響を持つと思うんです。
そういう事件とかもありますしね。
まあ今回の話は、愛という感情を手に入れたハミエルの魂を生贄にし、殺戮兵器を再び呼び起こすというような愛の利用の仕方でしたが、
現実的にはこんなのありえないですけど笑、愛の力は多方面で強大であるということは伝わりましたし、時にはそれは人を殺すほどの力を持つ、というのも伝わってきましたね。
私自身も結構、こういう人の強大な感情に興味があるので(この天使みたいに利用しようとは思わないですけど笑)
こういう例え方(今回の列伝ならば、人の愛の力を利用して殺戮兵器を呼び起こす等)は面白いなと思います。
まああとは、
この台詞は結構心にきましたね。
もちろん、共に過ごした時間が長ければ長いほど愛が深まったりもするとは思いますが、
結局はお互いの想いの強さだと思うので、そこに時間は関係ないと思いますね。
実際、私だって家族と過ごした時間が一番長いですけど、愛を感じたのは別の人からですし。
本当、時間の長さじゃないなっていうのは自分でも身をもって実感しているので、、、
このゼルエルの台詞が切なすぎて今思い出しただけでも泣けますね。
自分はハミエルを愛していた、ということに気付こうとしなかった故の悔しさや、自分はハミエルと永い時を過ごしてきたのに、っていう悔しさ、
もしかしたら、人間のいう愛を知りたかった、という気持ちもあったのかもしれません。
色々な悔しさがこの一言に詰まっている気がして、、、
個人的には最後の最後も泣けましたが、ここが一番苦しかったかもしれません。
自分が誰かを愛していることに気付くのも大事なんだなと思わされた瞬間だと思いました。
それと同時に、このシーンより前のフェリータの、
自分が愛されている、自分を愛してくれている人がいると気付くのも大事なんだとも思いましたね。
いやあ本当に、愛の二面性や、愛に救われる者、その一方で愛に気付かず悔しい思いをした者、愛をめぐる様々な人達(天使達)のストーリーがあったのが凄く良かったです。
私は結構、こういう愛についてとか哲学的に考えることが好きなので笑、テーマとしても自分好みなのもありましたけど、
本当に愛について様々な方面から考えさせられた作品でした。
まだご覧になっていない方がここまでスクロールしているのかは謎ですが笑、
是非ご覧頂きたい列伝です。
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