彼方の空に花冠を 感想
今月追加された列伝:彼方の空に花冠を
の感想です。
・伏線の回収がお見事でした。
・話自体も、個人的には救いの仕方にかなりグッときました。話の仕掛けも凝っていて面白かったです。
・魔族視点での人間の見方はやはりかなり興味深いです。私達が人間である以上なかなか人間という生き物自体を客観視することはないため
・人間の手のひら返し感がリアルでした。いるいるこういう人。
・そことそこが繋がっていたのか、という感じで驚きもあり、良きファンタジーでした。
重すぎず軽すぎずのバランス感がいい感じでした。割とおすすめはしやすいかもしれないです。
割と伏線回収寄りな気がしたので、過去に出た関連列伝の
・千の光を率いる獣(個人的には超おすすめ列伝)
・ガルニエの怪人
を見た上でこの列伝を見た方がより楽しめるかと思います。
総合的に、個人的にはそこそこおすすめです。
伏線回収的なものが好きな方に対しては特に。
ここから下は個人的な感想になります↓
私が一番着目したのは、現実と理想の付き合い方についてです。
理想は高すぎると自分を無理やり縛るものになってしまい結果的に自身に苦痛をもたらす存在になってしまいますが、理想と上手く付き合うとかなり人生が上向きます。
実際に私も理想的な方というか、こういう人間になりたいなっていう方が明確にいらっしゃいます。
が、様々な方面でその人のようになるのは私はおそらく無理というか、そうなろうとすると自分が苦しくなります。余りにも理想とする方々が全てにおいて自分とかけ離れすぎているので。
ただ、理想とする方々がいること自体は決して悪くないどころか、自分自身のセーフティーネットになってくれます。圧倒的担保というか。
物理的な存在としての圧倒的担保、つまりこの人は私が辛い時にいつでも隣にいてくれる、駆けつけてくれる、というものではありません。
そうではなく、いつでもその人の教えとか人間としての在り方が自分の中に残っているというか。精神的な圧倒的担保です。
何かあったらそこに立ち返ってみる、要するにその理想の方々を思い出して、理想を再確認した上で自分の軌道修正を行います。
私はこういう人になりたい→ならなきゃいけないんだ ←こういう"ねばならない"思考になると自分が苦しくなることに気が付きました。(逆にこうならねばならないが苦しくなく原動力になるのであればそうした方が良い、それは人による)
私は理想とする方々は幸運にも一人ではないので、それぞれの方々の理想とするところを上手く自分の中に融合していく感じです。あくまでもベースは自分にある。
これで理想と上手く付き合っていけるようになりました。
理想と上手く付き合っていけるのもありますし、やはり何よりも圧倒的な精神的担保を得たのがかなり大きいです。心の余裕が全く違う。
何かあっても、理想とする方々というより私は尊敬に近いですが、そういう方々の人間としての在り方を思い出すと回復出来るので。
良い意味で今はそのような方々は自分の(物理的な)側にいないので、思い出すしかないんですけど逆に印象深い思い出であるからこそ圧倒的な担保になっている気もします。
こういう人間になりたい(出来ればそれはなぜなのか、どうやったら上手く理想を活かしていけるのかというところまで考えるとそこそこ現実的になります)を俯瞰しながら上手く付き合うとかなり生きやすくなります。
言い方を変えれば、こうならねばならない思考になると途端に焦りが出たりあの人と比べて自分は…となってしまう方は、
まずその理想には自分はなれないことを自覚して、その上で取り入れられるところは自分なりに取り入れるという形にするといいのかなと思ったりします(あくまでも個人的な考えなので、理想ってならねばならないものとは限らないということ)
例え話ですが、トマトはトマトソースにもなれるしトマトスープにもなれるしそのままでも食べられるし、自分の好きなように調理すれば良いですよね。
そんな感じなのかなーとこの列伝を通して思いました。
これ以外にも、過去の色々な魔族関連の列伝を読んでいても魔族は個性的でそれぞれが自由に生きていてそれぞれのその生き様が素晴らしいなと思いました。純粋に楽しそう。
今回は以上です!
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